音楽のみならず、執筆、写真やイラストなど多岐にわたる創作、そして俳優業に至るまで幅広い活動を通して表現者としての才能を発揮する星野源。そんな星野源の創造性に迫るコラボレーションが完成した。音楽、写真、イラスト、星野の友人で"良き理解者"である謎のキャラクターである「ニセ明」といった、星野源が創り出す様々なクリエイションを落とし込んだTシャツを、人気スタイリストTEPPEIがスタイリング。日常の着こなしに取り入れたい、さりげなさの中に込められたこだわりを披露してくれた。
スタイリストTEPPEIがコーディネートに込めた思い
「星野源 UT」コレクションの発売に際し、星野源を中心に、その周りにコレクションアイテムを纏ったマネキンが佇む、アーティスティックなキーヴィジュアルの制作が行われた。星野源、そしてマネキンたちのスタイリングを手掛けてくれたのがTEPPEIだ。さらに今回、本コレクションをこれからの季節のファッションとして楽しむためのスタイリング術を提案してくれた。ユニセックスで楽しんでもらいたいアイデアが詰まったスタイリングポイントをTEPPEIの解説とともに紹介する。
スタイリング中のTEPPEI。さりげないコーディネートの中に、緻密に練られたこだわりが詰まっている。
MUSIC
12thシングル『創造』のミュージックビデオに登場するいくつかのシーンをコラージュ。星野源が選んだ歌詞の1フレーズ「非常識の提案」を英語にした「AN INSANE SUGGESTION」もデザインに落とし込んだ。
『創造』のパーカをメインに、ダウンコートとジーンズという基本のアイテムで組み合わせたコーディネート。「ベーシックアイテムでスタイリングを考える際、ポイントとなるのはシルエットのバランスです。モデルの身長が175cmなのでパーカはXL、またダウンコートとジーンズも共に1サイズアップにすることで、程よいオーバーサイズのシルエットを作りました。90年代にビッグデニムにダウンジャケットを羽織るスタイルがよく見られましたが、あの都会的でカルチャーの匂いを感じさせるムードを残しつつ、シルエットをアップデートすることで今年らしい着こなしが演出できます。スウェットのボディカラーを引き立たせるため 、ダウンコートはインパクトのある赤をチョイス。星野さんのこれまでのアートワークでも、鮮やかな色が象徴的に使われることがあったので、今回の色使いを考える際参考にしました」
モデル/着用UTサイズ: 175cm/XL
1stシングル『くだらないの中に』
タイトルでもあり、歌詞にも登場する「くだらないの中に」の英訳「WITHIN NON SENSE」をあしらったパーカ。フォントにもこだわった1着はシンプルながらグラフィックの強さを感じさせる。
パーカのボディカラーである淡いクリーム系の色味を起点に、美しいグラデーションが表現されたスタイリング。カジュアルながら、洗練されたムードが漂うルックは、どのように作られたのだろう。「共に柔らかい色調のスウェットとボトムスの組み合わせに、上質なトーンのチェスターコートを重ねることで、気持ちの良い濃淡の表現を目指しました。そんな柔らかい色調に対して、パーカのグラフィックが引き締める要素となりますし、全体のアクセントとなるようメンズのチェックシャツもプラスしました。それぞれのアイテムをワンサイズ大きいものを選ぶことで気張らずリラックス感を演出していますが、ダブルフェイスのコートを羽織ることでカジュアルになりすぎず、外出もできる程よいワンマイル感が生まれます」。
モデル/着用サイズ: 166cm/L
PHOTO
星野源が過去に撮影した5枚の風景写真をコラージュ。シンプルな白いボディに、フォトプリントの鮮やかな色彩が際立つ1枚だ。
オリジナルのフォトプリントTシャツには、シングルブレストのコートやスリムフィットのデニムを合わせ、キレイめな着こなしに。「Tシャツのフォトプリントを初めて見た時に、効果的に使われているオレンジのカラーが印象的でした。そこでコートのインナーのフリースジャケットもオレンジを選び、色を連動させることで、写真の美しさを際立たせたいと考えました。Tシャツはジャストサイズよりワンサイズアップにしてゆったりとさせながらも、パンツにタックインし、ボトムとの境界線をはっきりさせることでメリハリのあるスタイリングに仕上げました。フリースとの組み合わせでカジュアル感を出しつつも、コートとスリムフィットのジーンズを合わせることで、写真の持つアーティスティックな雰囲気に合うような洗練されたイメージに近づけました」。
モデル/着用サイズ: 175cm / XL
NISE AKIRA
星野源の友人でもあり、謎のキャラクター「ニセ明」のサインをフロントのワンポイントに、バックプリントには「ニセ明」のモノクロ写真に4色のカラーをあしらった1着。
胸元に「ニセ明」のサインがワンポイントのTシャツはフロントから見るとごくシンプル。ファーリーフリースジャケットとイージーパンツを合わせたスタイリングはスポーティな印象だ。「潔くモノトーンで統一したかったので、シルエットの見せ方で勝負しました。すべてのアイテムを、ワンサイズ大きいもので選び、オーバーサイズなシルエットを作り出しています。さらにフリースのもこもことした素材感やボトムの裾口を絞ってバルーンぽい丸みのあるシルエットに。この全体のシルエットに対して、ポイントとして青いニット帽をプラスしています。アウターを脱ぐとポップアートのような配色のアートワークが、モノトーンコーデをいい意味で裏切ってくれるようなインパクトを放ちます。ニット帽もアートワークのカラーリングとの色の相性を考えて選んでいます」。星野源が描いたイラストがあしらわれたトートバッグと合わせれば、スポーティさの中に緻密に計算されたシルエットメイキングによる、洗練されたワンマイルウエアが完成する。
モデル/着用UTサイズ: 175cm / XL
ILLUSTRATION
星野源が描いた「海の生きもの」をモチーフにしたイラストをフロントにあしらった1枚。柔らかな線画のタッチと、独自の視点で捉えられた生きものの表情にも注目だ。
星野源が描いたウニ、ペンギン、チョウチンアンコウという海の生きもののイラストがフロントにプリントされたTシャツ。着ているだけで癒されそうなこのイラストTシャツを着こなすポイントとは?「シュールで愛嬌のあるイラストの持つ可愛らしさと、温もりを感じさせるボリューミーなボアジャケットやカーディガンを組み合わせ、Tシャツのテイストとアウターの素材感をリンクさせました。ほっこりしすぎないよう、首元にストール、足元にローファーを合わせ、トラッドな印象をプラスしています。黒ボディのTシャツはジャストサイズを選び、ホワイトのハイライズジーンズと合わせることでモノトーンのコントラストを効かせ、メリハリのあるスタイリングに仕上げました」
モデル/着用UTサイズ: 166cm/S
音楽や写真、イラストといった幅広い作品をデザインに落とし込み、星野源の多岐に渡る創作活動によって築き上げてきた独自の世界観を楽しめる本コレクション。「星野さんの生み出す作品は、奥が深く常にイノベーティブでありながら、決してトゥーマッチすぎず多くの人の共感を生みます。それは天性のバランス感覚によるものだと思いますが、星野さんのクリエイションに共通するその『引きの美学』というエッセンスをスタイリングにも反映させたいと考えました」とTEPPEIは語る。アイテムとしてだけでなく、スタイリングとしても、ぜひ星野流のクリエイションへの思いを感じて欲しい。
PROFILE
TEPPEI(てっぺい)|スタイリスト。2002年、高校卒業と同時に上京し、都内の専門学校スタイリスト学科に入学。卒業後2年間の古着屋勤務を経て、スタイリストとしてのキャリアをスタートした。およそ00年〜00年中期までの東京ストリートカルチャーにおける象徴的な存在として注目を浴び、ジェレミースコットやベルンハルトウィルヘルムがスタイルサンプリングしたことでも知られている。現在は、スタイリストとして数々のアーティストイメージやブランドビジュアルのディレクションを手掛けており、ドバイ万博2020における日本館公式ユニフォームのビジュアルスタイリングをはじめ、特に国内のメンズファッションシーンにおいて代表的な作品発表を続けている。
© 2021 Amuse Inc. All rights reserved.
※ピンズ・マスキングテープを除くラインナップは、ユニクロ全店舗とオンラインストアで購入できます。
※ピンズ・マスキングテープの取り扱い店舗はこちらをご覧ください。